2009年12月17日木曜日

お年寄りの栄養状態評価方法

たとえ普段は病院で○○科と専門で分かれていたとしても、私達が観ているのは病気ではなくて、患者さんだから科の垣根ない、と感じられる素晴らしい分野が在宅医療だと思う。

病院やクリニックという医療者側が用意した箱ではなくて、患者さんのお家というあちらが主体の箱での医療は、生活風景、家族関係・事情がみえて大変複雑でかつ、活気のある人間らしい現場だ。

以前週1回外勤として働いていた在宅クリニックでは、事務の方々、看護士さん、運転手さん、他のドクターのチームワークで、日々起こる「病気」以外の出来事に取り組むことで沢山の事を学ばせてもらった。

さて、「病気」そのものよりも、家族がとても苦労しているのは、食事摂取の難しさであることに、在宅医療で初めて気がつかされた。さらには、一人暮らしのお年寄りの食事摂取の評価・コントロールは大変難しい。時に明らかに脱水であったり、体重変化が急激に認められる場合は、点滴や経口栄養補助食品を導入するものの、特に病院でない在宅・老人ホームなどの施設では採血の回数も限られている。

ネスレNestleのサイトで 高齢者用MNA(栄養状態簡易評価法)を見つけた。
採血の必要がなく、高齢者の栄養評価方法として大変優れていると感じたのは、ADL(日常生活動作)、痴呆、うつなど、一般的な高齢者の食事摂取に関係するリスクが評価項目に入っていること!!


①簡易式チェックリストで評価
②上記で一定のポイントを満たさなかった患者はさらに詳細なチェックリストを答える
と2段階式なので、健康と評価された人にまで詳細にチェックリストを行わなくてもいいという利点がある。(もちろん見逃しがないように気をつけなければだが。。。。)


すでに、アメリカ、フランス、スペインでこの方法の妥当性についての研究が行われ有効との評価をうけている。(日本ではまだ)

日本に帰って、高齢者の栄養評価に是非行ってみたい評価方法発見!とつい嬉しくなった。
日本の高齢者の方にも有用な評価方法だとといいなあ。